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2024.2.1

不快なアレルギーを考える

今年の冬は暖冬傾向にあるといわれています。平均気温は春先にかけて高い傾向の予想で、2月に入るとスギの開花が進み、九州〜関東の一部で2月上旬に飛散開始となる見込みです。

近年の研究によると、気管支ぜん息や花粉症などのアレルギー疾患は、ここ数年で患者数が急増していて、国民の約半数が何らかのアレルギー疾患にかかっていると推定されています。
特にスギ花粉症は、罹患率が高く、若年齢化が進んでいます。

アレルギー疾患の対策として大事な3つの柱があります。

①まずは原因物質をなるべく避けること

②不快な症状を軽減させること

③今後、不快な症状が出ないように、体質を変えていくこと

3つの対策のひとつでもおろそかにして「薬を飲めばいいや」と思っていると、身体に思わぬ負担をかけることになるので、しっかりと生活習慣を見直し、できるところから対策をしていきましょう。

アレルギーでいう「症状」とはつまり「炎症」です。

通常の免疫細胞は、外敵などの「異物」を攻撃するのが仕事です。ところが何らかのきっかけで免疫細胞が過剰反応してアレルギー 症状を起こしたり、自分自身の組織を攻撃するリウマチなどの自己免疫疾患を起したりします。その“根っこ”にあるものとして「炎症」が深く関係しているのです。

食事面では、炎症を助長するような砂糖などの単純糖や飽和脂肪酸(バターや肉の脂などの動物性脂肪)、リノール酸系の油(サラダ油やマーガリンなどの植物性脂肪)は控えるようにすることが大事です。その上で、炎症を抑えてくれる働きが強いオメガ3系の油(青魚やアマニ油など)を積極的に摂るようにしましょう。次に炎症のきっかけとなる物質(炎症性サイトカインやヒスタミンなど)が作られすぎないようにすることが大切です。その働きが期待できるのがポリフェノールやキノコ由来の機能性成分です。

次に運動面。運動で刺激を受けた筋肉は炎症を抑える働きがあるホルモンを分泌するようになるとともに、血流が促されて炎症を起こす物質を体内から排泄する働きも期待できます。

ハードな運動をする必要はありませんが、日常的な習慣として「ウォーキング」などの有酸素運動が望ましいですね。

良い睡眠にも炎症を抑えるホルモンを分泌させる働きがあることがわかっています。

運動や睡眠の働きで肥満や糖尿病を防ぐこともできます。肥満や糖尿病は炎症体質の代表的なものなので、そうした意味でも生活習慣の見直しが必要ですね。

アレルギー対策において、もうひとつ忘れてはいけないことが腸内環境を整えることです。

腸内環境が悪化すると有害菌がさまざまな有害な物質を作り、粘膜の状態も悪化させて、その有害な物質が腸から全身にもれ出していきます。その現象が「腸もれ」であり、結果的に全身に常に炎症を引き起こす大きな原因となるのです。

「腸もれ」を改善するためにはどうしたらいいのを説明します。

まずは、年齢とともにに減少していく有用菌(乳酸菌やビフィズス菌など)の摂取を増やすこと。腸に定着はしませんが毎日摂取することで、その働きは期待できます。

次に、今いる有用菌を元気にすること。最近では、「育菌」といわれて注目されています。有用菌が大好きな水溶性食物繊維やオリゴ糖を毎日しっかりと摂っていきましょう!

上記のように良い菌を摂り入れ、良い菌を育てることで、腸内で「菌のリレー」が円滑に行われることになります。摂取した食物繊維は分解されずに大腸に届きますが、糖化菌(納豆菌など)によって糖に分解、その糖を材料に乳酸菌やビフィズス菌が乳酸や酢酸、酪酸などの短鎖脂肪酸を生み出していきます。

さらに、短鎖脂肪酸の中でも酪酸はTレグ細胞を増やす力を持っており、このTレグ細胞は免疫細胞が暴走しないようにコントロールしてくれるのです。

このようにさまざまな菌がリレーのように協力してわたしたちに有用な物質を作り出しているのです。それをサポートする働きが確認されたのが、ビタミンB群、オメガ3系の油です。食物繊維だけでなく、ビタミンB群、オメガ3系の油など総合的に考えて、腸内の菌がリレーをしやすようにしっかりと栄養を摂っていきましょう!