入学や就職などに伴い、新しいステージで生活が始まる人も多い時期ですよね。そんな始まりの季節である4月だからこそ、日々の身体を支える栄養のことを考えてみましょう。

栄養失調というと、戦後間もない頃の日本で起こったように食糧不足でなってしまうイメージがあります。現在でも経済的理由で満足に食べられないという場合もあるでしょう。しかし、それ以外の理由で、今の時代でも栄養が不足してしまうことがあります。摂取カロリーは足りているのに特定の栄養が不足して身体の不調につながることを新型栄養失調といいます。

新型栄養失調の原因はさまざまあります。特に年代によって理由は異なります。

新型栄養失調対策の基本はバランスのよい食事です。それに加えて不足しがちな栄養素を普段の食事から意識して摂取しましょう！

わたしたちの身体はたんぱく質でできています。

たんぱく質は、筋肉や臓器、さらには免疫細胞をつくる材料です。筋肉量が減少すると太りやすい体質になってしまったり、体温が下がり、その影響で簡単に免疫力が下がり、がんや感染症のリスクが増えてしまいます。また、たんぱく質が不足すると貧血になりやすくなったり、血液量が減るので循環器や腎臓に与える影響は大きくなるでしょう。新型栄養失調のなかでも、たんぱく質不足が招く影響は甚大なのです。

また、新しい皮膚・頭皮・髪の毛や爪のためにもたんぱく質は必要です。皮膚のハリツヤ、弾力に関係するコラーゲンやエラスチンも、髪の毛の主成分であるケラチンもたんぱく質から構成されているため、たんぱく質を摂取することで、健康で若々しい姿を保つ効果が期待できます。

身体づくりの中心となるのは、たんぱく質の他に、すべての細胞を構成する油、すべての栄養素の代謝に必要なビタミン・ミネラル、年齢と共に増えていく傾向のある慢性炎症の対策としてのポリフェノール、同様に全身の過剰な炎症対策として必須の食物繊維などです。

これらの栄養素は、先月もお伝えした「百寿者が積極的に摂ってる栄養素」とほぼ重なっていることに気付きます。どれひとつ欠けても身体は作られないといっても過言ではないでしょう。

新型栄養失調の対策としては、食事のバランスに勝るものはありません。朝食をとらなかったり、同じものばかり食べたりを避け、多くの食材を摂ることをオススメします。

それでも摂りきれない、摂るのが難しい栄養素はサプリメントを上手に活用したいですね。

また、美しく、健やかな身体づくりのためには運動、睡眠もとても大切です。無理のないよう身体を動かし、よく眠る生活習慣を心がけてみてください。