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2021.2.5

ビタミンのおはなし~ビタミンD~

ビタミンとは、三大栄養素である脂肪、糖質、たんぱく質などとともに人間が生きていくうえで必要不可欠な栄養素のひとつです。今回は、その中でもビタミンDをクローズアップしたいと思います。

体の中でビタミンは三大栄養素の代謝を助ける働きをしており、ミネラルと並んで微量栄養素といわれています。脂肪・糖質・たんぱく質のように、エネルギーになるものではありませんが、それがないと体という”機械”がスムーズに動かない、いわば”潤滑油”のような働きをしているのです。

ビタミンDには、免疫を調節する働きがあり、風邪やインフルエンザ、気管支炎や肺炎などの感染症の発症・悪化の予防にも関与していることがわかっています。

未だ感染拡大が収まらない新型コロナウイルス感染症。さまざまな国の医療機関で、実際のコロナ患者を対象にした「ビタミンDの血中濃度とCOVID-19のリスク」を考察する臨床試験を含めた研究・調査が行われました。欧州の報告では、血中のビタミンD濃度が低いとCOVID-19(新型コロナウイルス)にかかる可能性や死亡率が高いという相関関係が示されたものがあります。

ビタミンDは、脂溶性のビタミンです。水に溶けにくく、油脂に溶けやすい性質があります。食品から得られるビタミンDには、しいたけなどのきのこ類に含まれるビタミンD2(植物由来)と、鮭などの魚類や卵などに含まれるビタミンD3(動物由来)があります。ビタミンの多くは、体の中でつくることができないため、食品から摂取しなければなりません。しかし、ビタミンDは、食事だけでなく、日光(紫外線)に当たることによって、体内でつくることができるという特性があります。

【骨を丈夫にする】

体内でビタミンDは、肝臓や腎臓で活性化されて、腸管からのカルシウムの吸収を促進します。これにより、血液中のカルシウムの濃度を高めて、破骨細胞の働きを抑制することで骨を丈夫にし、骨折を予防すると考えられています。

【免疫反応の調節作用をする】

ビタミンDは免疫系の強力な調整役となります。このため、風邪やインフルエンザ、気管支炎や肺炎などの感染症の発症・悪化の予防にも関与することがわかってきました。その他、がんや高血圧など、さまざまな生活習慣病を予防するといわれています。

【適度な日光浴】

ビタミンDは、日光に当たることで体内でつくることができます。1日に必要な日照時間は季節や時間帯にとって異なります。夏であれば20分から30分程度、秋冬は紫外線量が少ないことから長い時間が必要になります。散歩やウォーキングなど、外に出る習慣をつくりましょう。

【ビタミンDを多く含む食品】

天日干しのしいたけやきくらげ、鮭、いわしなどの魚類、卵黄などに多く含まれています。特にEPAやDHAも含む魚は、動脈硬化の予防にもなりますので、毎日の食生活に取り入れるとよいでしょう。

この時期にかかせない栄養素であるビタミンDですが日本人を対象とした疫学調査によると欠乏と不足を合わせた割合は、男性約70%、女性約90%にも達するとの報告があります。ビタミンDは上記でも説明した通り、日光(紫外線)を浴びることで体内で合成されますが、秋冬は日照時間が短く。今年はコロナ禍の外出自粛もあって、ビタミンD不足が一層懸念される状況になっています。

意識して食事からビタミンDを摂るようにしたり、食生活では補いきれない栄養素はサプリメントなどを上手に利用しましょう。